人生は旅だといわれます。しかし、一体どこからどこへ旅をするのでしょう。
古いものから新しいものへ、そんなことではありますまい。
虚偽から真実へ、それでもありますまい。

それは人生を自分のものと考えて思いのままに変えてゆこうとする生き方から、
与えられたものと考えて受止めてゆこうとする生き方への旅でしょう。
つまり、変革から受容への旅です。

人生において、旅とは何かを求めて遍歴することではありません。
あるがままを引き受けて動かなくなるように、はからいを捨ててゆくことです。

 

藤木正三(牧師 1927〜)

 

 

旅というのは、時間の中に純粋に身を委ねることだ。

福永武彦(詩人・小説家 1918〜1979)

 

 

 

福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2007年1月号 今月の言葉より引用