粋(いき)
人数より数の少ない椅子の周りを回りながら、椅子の
取り合いをするあのゲームのようなところが、人生にはあります。
人生がそうゆうものだとわかると、そうなるまいと貪欲になるのは人情ですが、
逆に誰かがはみ出すのなら進んでそうなろうとする生き方もあるわけです。
しかも、それを人を愛するためにといった立派なこととしてではなく、
むしろごく自然に美しい満足のようなものをそこに感じて、そうする人がいます。
粋な生き方であります。信仰生活にはこの粋がなくてはなりますまい。
藤木正三(牧師 1927〜 『灰色の断想』より)
粋すぎれば虚なり。虚なければおぼれやすし。
-----粋が過ぎればかえってむなしいものとなる。
そのむなしさに気がつかなければ、深みにはまって身を滅ぼすことになる。
山岡浚明まつあけ(江戸中期の考証学者 1726〜1780)
福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2007年2月号 今月の言葉より引用