社会

 

 人間関係で一番大事なことは、その交わりがいかに親密であるかということではなくて、
そこには一人も除け者がいないということではないでしょうか。
 人との関係は、一人といえども切れるものではありません。切ったつもりでも残っているものであります。
「切れた関係」という新しい関係が、残るものであります。それは、関係を切ったものに対するさばきとして、
執拗に重く残るものであります。そして、一人を欠いたその交わりの虚偽と感傷を告発して止みません。
社会とはこの告発の声であります。

 

藤木正三(牧師 1927〜 『灰色の断想』より)

 

 

社会は人間である。社会の学びは人間の学びでなくてはならない。


和辻哲朗(哲学者 1889〜1960)

 

 

 

福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2007年5月号 今月の言葉より引用