感謝

 

 幸せなことがあれば感謝するのは当然ですが、もしそれだけのことなら、感謝とは、
自分にとって幸せか否かで人生を選別する、誠に身勝手な感情に過ぎないことになります。
 しかし感謝とは、そんな自分本位の小さな感情ではない筈です。
 それは、人生の大きな包容の中にある自分を発見することなのです。
それは一つの自己発見であって、幸福に誘発された感情ではないのです。
 そして、幸・不幸を越えて包容する大きな肯定の中に自分を発見した人は、
すべての事態を受けとめるでしょう。感謝する人は逃げない人です。

藤木正三(牧師 1927〜 『神の風景』より)

 

 

 いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について感謝しなさい。

『新約聖書』(テサロニケ人への第1の手紙 5章16〜18節)

 

   

 

 

福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2008年9月号 今月の言葉より引用