捨てる
整理の要諦は捨てることにあり、と人はいう。
それは、執着やこだわりを捨てきれぬ心の問題でもある。
文章の中の、この箇所は切り捨てたらよいものか、それとも、
このままのほうがよいものか、途方にくれた場合には、必ずその箇所を切り捨てなければいけない。
いはんや、その箇所に何か書き加えるなど、もってのほかというべきであろう。
太宰治(小説家 1909〜1948)
男が仕事をする時は
常に捨て身でなければだめである
捨て身とは何も欲しがらぬことである
勝ち負けを捨てることである
相田みつお(詩人、書家 1924〜1991)
第一の事を案じ定めて、その外は思ひ捨てて、一事を励むべし。
吉田兼好(詩人、随筆家「徒然草」第188段より 1283〜1350)
だれでもわたしについてきたいと思うなら、自分を捨て、日々自分の十字架を負うて、私に従ってきなさい。
『新約聖書』(ルカによる福音書9章23節)
福音社『サインズ・オブ・ザ・タイムズ』2011年12月号 今月の言葉より引用