旅先での楽しみは何といっても食べ物である。 ところが、ネパールではそう上手くいかなかった。はっきりいってしまえば、ネパールの町中の食堂は驚くほど不衛生である。火を通してあれば大丈夫どと思うのは甘い。これまでの訪ネで何度、下痢に悩まされたことか。これは大丈夫だと思っていても、体調が悪かったりすると百パーセントやられる。すぐ治ればいいが、一週間も続くと体力は消耗するし、どこにでもトイレがある訳で無く、ほとんど出歩けなくなってしまうのだ。かといって何も食べない訳にはいかず、一番安全であろうと思われる果物を口にすることになる。 幸いにしてネパールをはじめ東南アジア諸国は果物は豊富にあり、しかも安くて美味だ。ネパールではスンタラ(蜜柑)やバナナが手っ取り早い栄養補給源になる。上手いし、バナナは主食にもなるくらい腹は膨れるし栄養もたっぷりある。 前書きが長くなってしまった・・・・で、今回はジャナクプルでの食べ物の話である。 ジャナクプルで最高の食べ物だと当方が思っているのはホテルRAMAのチキンカリー(本文先頭写真参照)である。友人のS君に言わせると「油がギトギトであまり美味くない」らしいが、当方の舌にはぴったりの味だ。インドに近いこともあってか、当たり前のように出てくるチャパティと一緒に食すと最高である。ジャナクプル滞在中、連日、チキンカリーばかり食べるのでS君なぞは「たまには他のも注文すればいいのに」とあきれ顔をするが、飽きない味であることは確かである。 まず辛さ。ネパールのカリーは辛すぎるという人がいるが(逆に物足りないという人もいる。当方もその一人)、基本的にカリーは辛いもの。ここのカリーはちょっときつい位の辛さがある。が、しつこい辛さではない。日本でカレーを食べると時々いつまでも舌が痺れたような辛さが残るのがあるが、RAMAのカリーにはそれがないのだ。食べている時は辛いけど、後味はすっきりしている。中に入っている鳥肉も、噛めば味が出るしっかりした肉を使っている。 「チキンカリーもそろそろ飽きた。別のモノを食べてみようか?」3日ぐらい続けて朝昼晩とチキンカリーばかりを食べていたらさすがに飽きてきた。とは言ってもレストランのメニューは具こそ違うが全てカリーである。野菜の入ったのから、字が読めなくてよく分からないが具の違いで数十種類のバリエーションがある。適当に頼んでみると、結構、他のもいける。 「スープどうですか?」G君がダルスープを勧めてくれる。彼はダルスープとプレーンライス、チリチキンをせっせと食していたが、分けてくれたスープは不味かった。ネパールの人々の食事に欠かせないダルスープを不味いと言うのはちょっと悪いかなとも思うが、どうしても馴染めない。豆の臭いが先にきてどうもね。という感じだ。ただ、塩を足して、チキンカリーの残り汁を入れて味を変え、ライスとかき混ぜてしまえばどうにかいけた。 ところが、簡単な料理なはずなのになかなか出てこないのである。RAMAのレストランの欠点は注文した料理がなかなか出来ないことなのだが(夕食は注文から仕上がりまで1時間以上見ておいた方がよい)ちょっと遅すぎる。 後で聞くと、時間がかかったのには訳があった。ジャナクプル(に限らずネパールならほとんど)で売られているジャガイモは土付きである。それを洗って、皮を剥き、短冊に切ってから油で揚げるのだから時間がかかってしまったのだった。 このフライドポテトの味をしめた当方はそれから毎日、フライドポテトを注文しつづけた。もしかすると今頃メニューに採用されているかも知れないな・・・。 |