ジャナクプル鉄道はネパール南東部の都市、ジャナクプルを中心にインド・ジャイナガルを結ぶ本線29キロとビジャラプラへの支線22キロ、計51キロの路線を持つナローゲージ鉄道です。(*開業当時は支線などの区別はなく1路線であった) 開業は1935年。当時、イギリスの植民地であったインドへネパールの亜熱帯林から切り出した木材を搬出するため、イギリスの手によって敷設されました。インド独立以降はネパールの国営鉄道となり現在にいたっています(現時点ではネパールトランスポートコーポレーション内のジャナクプル鉄道部門となっている)。 以前はネパール国内にはビルガンジなどに鉄道が存在しましたが、現在はこのジャナクプル鉄道がネパール国内唯一の鉄道となっています。本来、木材輸送用路線であったこと。また、沿線一帯は農業地帯で住民の所得が低いことから料金を払わないと乗れない鉄道利用よりも歩くことを住民が選択しがちなこと、雨期にはほとんど利用客がない(農繁期になるとほとんど人の移動がない)など、経営状況はけっして良くありませんが、沿線に自動車の入れる道が皆無なことや、ジャナクプルにヒンズー教の聖地であるジャナクマンディール(お寺)が存在することから、ナローゲージの鉄道ながら、ネパール・ジャナクプルからインドのジャイナガルへと1日3往復の国際列車が運転されるなど、毎日、確実に運転が続けられています。 1994年まで、蒸気機関車による運転が行われていましたが、インド政府の援助により無煙化を完了。現在は全列車がディーゼル機関車による運転となっています。 |
ジャナクプル鉄道はアジア内でも再後期にあたるごく最近まで蒸気機関車が定期運転されていた鉄道であったため、日本の一部鉄道愛好家の間では知られていました。また、欧米の鉄道愛好家にも良く知られていました。しかし、ネパール国内でも交通の便が悪い場所にあることから、実際に訪れた経験のある人が少なく、また、インドへレールが繋がっているものの外国人は越境できない制約があることから全線を通しで乗ったことのある外国人(ネパール、インド人以外の国籍を持つ人)はほぼ皆無でした。訪れた人のほとんどが国境の町・カジュリで泣く泣く引き返していました。そのためこの鉄道はある程度有名ではあるものの、情報が非常に乏しい鉄道でもあるのです。 |
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