テーマ「女性にも分かる模型」はどう評価されたか?
今回の展示会はテーマゆえかどうか知らないが会場に女性の姿が目立ったような気がする。会員が影で動員をかけたこともあるが、夫婦あるいは彼女連れの一般の来客も多かったようだ。開催日前にテレビで中継された影響も大である。
作品が来場された女性に理解できたかどうかは、よくわからないものの、これまでオタッキーなおっさんばかりの会場であったことを考えると、少しは変わったかなと思う次第である。



市原嬢
おっさん雑誌編集者
推定年齢?
現在独身

テーマ提案者である市原嬢のコメント
テーマを提案した責任を感じて見にまいりました。まさか本当にテーマにするとは思いませんでした。皆さんに御迷惑をおかけしたかと・・・・
昨年に比べるとカラフルな飛行機が沢山ならんでいて、中にはちょっと変わった可愛い飛行機なんかもあって私でも十分楽しめました。
ただ、戦車はどれを見ても、泥色や草色で良く出来てるとは思うのですが、色彩的にはちょっと馴染めませんでした。
びっくりしたのはエンジン音の出る飛行機(零戦=久保会員作)です。模型とは思えないぐらいリアルでした。
食玩のコーナーも楽しめました。タイムスリップグリコは懐かしいものがあって誰もが楽しめますよね。
来年のテーマはもっと楽しめるテーマになればいいなと思います。
ところで会長さんの作っていた大砲?の横に並んでいた人形は宇宙人ですか?ポーズがすごいですね・・・・。(談)


会場での反応
「女性にも分かる模型」この困難なテーマに挑んだTMCであるが会場にならんだのは相変わらずのマイナーでド派手な飛行機群と地味なAFVおよび艦船であった。
「テーマは一応守ったつもりじゃ。ド派手な飛行機は女子供にも理解できよう」という安易な発想が見え見えであったが、原色中心の飛行機群は確かにカラフルで来場した女性に聞いてみても「機種は理解できないけど全体に綺麗」「旅客機がいいですね」と高評価を得た。しかし、色々聞いてみれば一番人気は当会の作品では無く、ゲスト作品の富山サンダーバーズ会員・砺波氏製作のレスキューヘリであった。真っ赤なヘリが岩壁上空にホバリングし、負傷者を救出中の見事なジオラマは誰が見ても一発でその状況が理解できる。作者の製作コンセプトも見る側に伝わってくる。しかも原色の民間型とくれば、派手でも戦争をイメージさせる軍用機にくらべると平和的である。
「こういう見せ方があったか」以前から当会の飛行機班でもジオラマが見る人に一番訴えやすいのではないか?という意見があったのだが、飛行機を作るのが精一杯でジオラマまで作り上げた会員は少ない。しかも、そのジオラマが特攻隊の出撃シーンではマニア受けしても女性受けは絶対しないものだったのである。
会場に強制連行してきた当サイト管理人の勤め先の受付嬢・Yukiちゃん(20)
→写真も「こういう所に来るのは初めてなんですが、綺麗な飛行機はいいですね」とのこと。戦車は「よくわからない」の一言で片付けられAFV班の一員である管理人はがっくりきたのであった。

SFメカそれもガンダムとかではなく、往年の名作サンダーバードメカは老若男女問わず人気がある。TMCではキャラクターものは原則不可なのであるがゲスト作品と次のキャラものはこれまでも認めてきた(サンダーバード、キャプテンスカーレット、海底軍艦、忠臣蔵など)。しかし、当会の会員が作ることは極めて稀でここ10年ぐらいキャラものの展示はなかった。
ここでも富山サンダーバーズ軍団にやられた。
巨大なサンダーバード1、2、3号にタイムリーな海底2万マイルのノーチラス号とを持込まれると、女性の目はそちらに釘付けである。特に人気はサンダーバード2号で「これほしいぃ〜。お風呂で遊びたい〜」との持ち帰り希望があった。でも当会会員の「1号か3号の方が先が尖っていて使い勝手が良いですよ」という答が余分であった・・・・・・。
ノーチラス号が人気を呼んだのは多分にディズニーシーのアトラクションの影響である。原作は知らないがキャラは知っているという典型的なものだ。
今回の展示で痛切に感じたのは一般にも開放している展示会に於ては、マニア受けするものは同好の士を対象にすることからも必要だが、それ以外にわかりやすい、馴染みやすいものが必要だということだ。しかし、そうは分かってはいても会員は超マニアックな面々ばかり。なかなか難しい部分ではある。

ゼロ戦頑張る!
今回、当会の作品の中で気を吐いたのが久保会員作の旅客機とサウンドアクション・ゼロ戦である。特にゼロ戦はアイドリングに始まり、フルパワー状態まで忠実にエンジン音が再現され、会場にそのサウンドが響き渡るといやがおうにも目を引いた。最終的に電池の局限までそのアクションが披露されたが、いつも大勢の観客がゼロ戦の周囲に集まっていた。
模型に音を加える。鉄道模型では以前からあったがここまで再現し切れていなかった。近年のデジタル技術のなせるわざだが、模型の見せ方の革新的な方法である。これまでにもプロペラ回転ギミックはあったがモーター音ではリアルさに欠ける。それを実物の音に置き換えたタミヤの技術には驚くほかない。
このサウンドゼロ戦、女性にも大好評で「すごい。本物みたい」と大いに受けていた。
「次はB29とか4発機でほしいのう」「ジェット機もええな。けど火を噴かんと音だけではの」
次のサウンドアクション機がなになのか。大いに気になる所である。
「来年はこのゼロ戦ズラッと並べて出撃シーンでも作るか?」との声も聞こえ、実現すれば大迫力であることは間違い無い。


まとめ
テーマが成功したかどうか、良く分からないまま終わったが、とにかく来年も頑張らないといけない。今回の反省として明確なテーマでなかったことから(とりようによってはどうにでも解釈できる難があった)展示が散漫になった傾向がある。この辺を考えながら次年度へ向けて準備を進めたい。(来年のテーマはすごいよ)


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