魔窟とは?

魔窟という呼び方、事始め
模型工作室のことを魔窟と称したのは"バーズのみやちゃn"こと富山サンダーバーズ会員・宮原芳信氏です。彼が我々のお部屋をそう呼び始めたのがきっかけです。
魔窟の定義
1 一般モデラーあるいは一般陣の常識を超える想像を絶する模型工作室であること。
2 そこは家族であっても入ることが許されない神聖な場所であること。
3 そこに居住する本人ですらそこに模型の在庫他、何があるか分からない状況であること。
4 上記のような状況でありながら、居住する本人にはとんでもない場所という自覚がないこと。
5 でも、そこにいると心が平和になる場所だということ。

魔窟は心のオアシスである
Y-asahi談

幼き頃の思い出。
山を仲間と駆けずり回っていた。
遊び場は全て山にあった。そこには自然界から贈られた遊び道具が一杯あった。お金は仲間の誰もが持っていなかったが、金など無くても不自由は全く感じなかった。おやつ代わりになるものは春から秋にかけて様々な木の実などが入手でき、谷川には手づかみで捕れるだけの魚がいた。それらを食べていれば問題なかったのである。
毎日、飽きもせず、山の中で遊んだが、その遊びの中で「秘密基地」作ることは重要なアイテムであった。ある時は竹やぶの中、またある時は刈り入れ前のサトウキビ畑の中、木の上、橋の下であったりした。そこには、各自が持ち寄った「宝物(ビー玉や玩具、どこかで拾ってきた様々な物品、あるいはたわいもないエロ本など)」が貯蔵され、それらは仲間の共有財産であった。学校が終わると仲間がそこに集合し、その日の遊びを考え、そこから出撃した。山に木の実がなり始めると、それらを持ち寄ってそこで食べた。
小学校時代はずっとそんな遊び方をしていた。

男にとって「隠れ家」は必要である。
幼き頃の「秘密基地」はそのはしりであったように思う。家族、あるいは学校などのわずらわしさそういうものが介在しない空間を幼きながらも求め始めていたのだと思うのだ。
大人になって家族も出来、いっぱしの生活を送っていると、幸せだと思うと同時に、一人になりたいと強く思う時がある。
旅に出る、女のところに転がり込む。それぞれ退避の仕方はある。ところがそれらにはリスクがともなう。金もかかるし、女にいたっては家庭崩壊を招きかねない。そうなると家の中に逃げ場を確保しなければならない。
その逃げ場として、私にとって重要な役目を果たしているのが模型工作室=魔窟である。
逃げ場所がある。住宅事情に苦しむ人から見れば贅沢といえば贅沢なのだが、この空間がないと私はストレスに押しつぶされてしまう。模型室にいると心が安らぐ。そこには私の趣味に関するものしか置いていない。読み切れないほど集めた趣味の本。大量の模型在庫はすでに一生かかっても作れないだけある。嫁に言わせると「阿呆の極み」であるが、その阿呆をするために毎日、仕事をし、投資している。趣味に投資出来なくなると、夢も持てず、私の人生はお終いだ。

かつて、文筆家の書斎を特集した雑誌を見て、私もこういう部屋を持ちたいと思った。最初は母屋の押し入れからスタートし、自分の部屋を得て、社会人になってからは完全な自室を確保した。そこは最初から私のプライベート空間にしようと決めていた。
結婚してからもそこは嫁であっても立ち入り禁止とした。そうなると、収拾がつかなくなるのは分かってはいたが、わがままを押し通している。もし、わたしが急死でもすれば、そこはガラクタ倉庫である。娘がわが財産を引き継いでくれるとは到底思えず、模型の不良在庫や本の山はどうなるのだろうか?ま、そんなことを今から考えても仕方ないが、一抹の不安ではある。

趣味にせっせと投資する阿呆に制限を加えながらも、ある程度は許容してくれる嫁には感謝しなくてはならない。そして、まだ親父の趣味が理解できないであろうが娘にも・・・・・。
心のオアシスは家族があって初めて成立する独立空間。嫁の手のひらの中で遊ばされていると薄々感じながら退避場所を求める男の夢を求める空間である。最近、そう思えてきた。

上記文章は独身の方には異論があろうかと思いますが・・・・。

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