Report by Y-asahi

3月20日、中国地区で初めての開催となるAFVモデラー交流会・第1回中国AFVの会に当会から山上会長、尾本準会員、村上会員、吉本会員の4名が参加した。
どのような作品が集まってくるのか興味津々で出かけたが、中国地区はもとより九州、四国方面からの参加者が持ち寄った作品群は用意されたテーブルを埋めつくし、その作品レベルも他のAFVの会にひけをとらない内容であった。
以下、そのレポートをお送りする。


会場は岡山県倉敷市に昨年オープンしたばかりの巨大なショッピングモール・イオンショッピングセンター。徳島を午前7時に出発したが、吉本会員の時間の読み違えで開場1時間前の9時に会場に着いてしまい、尾本準会員がまるで鬼の首を取ったかのごとく吉本会員をののしった。それはともかく、続々と段ボール箱を抱えて集まるAFVモデラーの姿に「好きもんがようけおるな。中国もあなどれんな!」と山上会長。
行き交うモデラーの中には岡山未完成チームさんの知った顔もあったが、そこに土佐模型クラブの森沢氏の姿を認めた。彼は今年の静岡ホビーショーに当会と同行することになっており、すでに当会では奴隷扱いされる身である。
「おまはん、わざわざ来たんか?ごくろうなこっちゃの」会長のいきなりのジャブ。挨拶もそこそこに会場外で作品の見せっこが始まった。(←トップ写真)
「ところで便所スリッパはどないしたんな。靴や履いたらあかんでないか」森沢氏の足元を見た会長が言った。森沢氏はいつもTMCの展示会に半ズボン、サンダル(使い込まれた便所スリッパのような青のサンダル)という格好でやってきており、会長はそれがスタンダードな彼の外出スタイルと思い込んでいる。
「今日は汽車で来ましたき、サンダルはまずかろう」と森沢氏。「あかんぞ。便所スリッパでないとアンタらしゅうないわ。静岡はスリッパで来なあかんでよ」と会長はしつこく責め立て、サンダルを履いていない森沢氏に対し信じれんわという表情をした。
さらにそこにNAMOの野田氏が夜行バスで名古屋から到着。開場まで中京AFVの会の今年の予定などを話し盛り上がっていると、大きな包みを持った二人連れがやってきた。聞くと熊本県から来たと言う。驚いたことに我々を知っており、特に会長には「本物に会えた!」と感激している。どうやら当会の会報(TMC MAGAZINE)を講読している方らしい。この二人は深氏と境氏といい、なかなかの好青年。この日一日当会のやかましいAFV班の面々とおつき合い頂いた。



10時の開場と同時に開場に入ると、すでに協賛クラブの作品がずらりと展示されており、この会に対する意気込みで熱気ムンムンといった感じだった。我々も持込んだ作品を並べ、次々と搬入される作品を見て回った。
午前中は作品の見学と参加者との楽しい談話であっという間に時間が過ぎた。ファインモールドの鈴木社長の姿も見え、新製品の94式軽装甲車を前に、いつもながらの陳情(日本軍歩兵が欲しい)をおこなった。
作品を見て回った印象は作品レベルは東京、関西、中京と比べてもそん色はなかった。ただ、かつて東京や関西AFVの会で見られたようなアッという度胆を抜く作品がなかったのが残念であった(キットが良くなったことや、みんなが平均的に技量向上しているためだと思う。各AFVの会の初期の頃はモデラー各自が様々な表現のスタイルを模索しており、キットも今ほど恵まれていなかったこともあり、新技法を駆使した作品や凄まじいまでのスクラッチビルド作品があったことから、それらが非常に目立っていた。)。それでも、参考にしたい作品は数多くあり、新しい発見も多かったのは収穫であろう。
地方と都市部のモデラーの技量の差はほとんどなく、逆に地方モデラーの作品の方が気合いが感じられるようにも思えた。
午後からはディスカッションとコンテストの表彰式があった。詳しくは実行委員会のHPで報告があると思われるので、ここでは省くが、ゲストのAM編集長・土居氏やファインモールド・鈴木社長の話は非常に面白いものだった。

以上、今回の会では有意義な一日を過ごせた。近年、製作スピードが著しく低下している当会AFV班の面々は「わしらも頑張らんと・・・」といっそうの技量向上への決意を新たにしたのである。



追記
当HPがお世話になっている島根県の「轍」のみなさんとほとんどお話が出来なかったのが残念でした。静岡ではゆっくりお話したいと思います。また、この会を主催された実行委員会の皆様、お疲れ様でした。来年も開催されることを期待しております。


第1回中国AFVの会でのお気に入り作品
(Y-asahi個人のお気に入り作品です)
山木靖氏の「ソ連女性兵」フィギュアの塗装が苦手な当方は、こうした上手い塗装の作品には惚れ惚れしてしまいます。銃のスリングもリアルだし、展示台も凝ってます。
山根貴史氏のBRDM1。このキット、当方、ふたを開けすぐ閉じてしまいました。完成させたのは立派だと思います。のっぺりしがちな車輛ですが、上手く塗装処理しています。
今回の一番の収穫はこの作品。岩重堅司氏の「Dear Mam...]フルスクラッチのフィギュアに草原の表現、塗装技術と抜きん出た作品でした。作者の他の作品もぜひ見たいと思いました。
鉾之原和久氏の「アンタらうちの庭どないする気やねん!」このジオラマの作り込みはジオラマの設定に頭を悩ます当方に、全体のバランスや小物の配置方法等にヒントを与えてくれました。塗装も原色系を上手く使って見事。
坂本英治氏の「T28ー1938」迷彩塗装が見事です。大きな車体だけに処理に頭を悩ませますが、綺麗にまとめているところはさすがです。
深幸一郎氏の「ハリコフの4号G型」後ろから見せているのがニクい演出。冬季塗装も上手くまとめています。雪中迷彩では八木博顕氏の作品も目を引きました。(画像データが壊れたため写真がありません。申し訳ないです)
境祐司氏の「AT1」こういうマイナー系車輛は大好きです。資料が少ない車輛ですが、作った方の気合いが感じられます。こういう作品を見ると、製作意欲がわいてきます。

この他にもコンテストで上位入賞された方々の作品もそれぞれ素晴らしいものがありました。画像容量の関係で割愛しましたが、各関係サイトで紹介されることと思います。

TMC Report Topに戻る

TMC Top Pageに戻る