まず結論から書いておきたい。ライカは使いやすいカメラではない!。 近年クラシックカメラブームとやらで中でもライカの人気はダントツであるという。老若男女を問わず、ライカの魅力に取り付かれた人たちがたくさんいるようである。おかげで多数のライカ本が出版され、この出版不況の中、内容に?な本でも結構売れているのだそうである。 当方、現在本物のライカを6台、コピーライカを2台保有している。 このうち2台はお仕事用で残りはお遊び用である。 お仕事用といっても最近はほとんど出番がない。現在9割の仕事はデジカメでこなし、フィルムを使うこと自体が稀になっている状況ではライカにお呼びがかることほとんどない。 舞台撮影などの音がすると困る仕事のみでライカの出番だ。現在のやたらやかましいカメラに比べ音は格段に静かである。仕事用としてはライカはこの程度の利用価値しかない。 とはいえ、これは当方のケースであってライカだけで仕事をする人もいるが、それは極めて稀、よく本でライカ使いの達人のようにいわれる人ですら、失敗出来ない写真は最新の一眼レフで撮影していることを私は知っている・・・・・・・。 ライカは距離計内蔵のレンジファインダーカメラである。 これまで数々の伝説を残し、熱狂的なファンがいる。ライカ使いの名手と呼ばれる人も存在する。その評価は高い。 しかしだ、すでにその性能は現在のカメラのレベルにはとうていおよばない。最新型のM6ですらすでに時代遅れのカメラである。 実際使ってみると良くいわれるレンジファインダーの有利さはほとんど感じない。一眼レフの方がよほど便利だ。広角系ではピントが合わせやすい?それも疑問である。近年のオートフォーカスの方がかっちり合わせてくれる。 レンズの性能は多くの高評価を得ているが、その差はモノクロ以外ではほとんど感じない。カラー撮影の場合、変に色がシフトして困るぐらいである。 それなのにどうしてこんなに評価が高いのだろう? その変わらないボディの基本デザイン、小さいがほどよくずっしりくる重さ、豊富な交換レンズ群がこれまで発売されたすべてのライカで使えることが魅力だろうか、そして心地よい響きのライカという名前・・・・・。 時代遅れのカメラであるのに人気は今だ衰えない。 当方にしても仕事ではほとんど使わないにもかかわらず、プライベートではライカを多用している。ここまで書いてることと矛盾するではないかと言われそうだが、仕事と遊びは別。仕事では失敗は許されない。失敗を極力減らすにはその時代の最先端機材を使ったほうが問題が少ない。システム的にも古典的なレンジファインダーよりも一眼レフの方がはるかに有利だからライカは使わないだけだ。 遊びで使うのは失敗を気にしないからだ。遊びでも確実に撮影できるのがベストだが、それでは面白くない。冒険もできない。ライカを遊びの友とするのは使いにくさ故の楽しさ、写真を撮る行為で最小限の機能しかついていないことからだと思っている。 写真を仕事にしている人にとってライカは昔のカメラ、実用性は決して高くない。だが、写真を楽しみたい人にとっては最高のカメラだろう。写真はこう撮るんだよとライカが語りかけてくる時がある。ライカの好きな人はそのことを知っている。 ライカは不思議なカメラである・・・・・。 |