バルナック型ライカ全盛時代には50ミリでf2となると大口径レンズの部類であった。日本製一眼レフが市場に出始めた頃にはf1.4クラスのレンズも登場していたが、おおむねf2が主流で、それもつかの間、50ミリ標準レンズの大口径化に各メーカーともしのぎを削った。最終的にはCanonのf0.95で終了するのだが、各メーカーとも50ミリ標準レンズはf1.2クラスからf2前後の明るさまで数本のラインナップを保持するに至った。 その中でf1.2クラスの大口径標準レンズはメーカーの技術力誇示のため贅沢な硝材をふんだんに使った作りで高価なレンズとなり、f1.4クラスは標準レンズのスタンダードスタイル・中庸価格となり、f2前後のクラスは廉価版という位置付けに落ち着いていった。 値段で性能の善し悪しを比較する訳にはいかないが、高価なレンズはそれなりの性能を発揮したのは事実。廉価版はとりたて高性能ではないが、実用的なレンズであった。 今回、入手したYashicaML50mmf2はYashica/CONTAXマウントレンズのYashicaブランドカメラ用の最廉価版標準レンズである。中古カメラ店でCONTAXのおまけに付いていたものを4000円でゆずってもらったものだ。御存じの通りYashica/CONTAXマウントレンズには名門Zeissの名を冠したCONTAX用レンズがあり、Yashicaブランドレンズはその中ではマイナーな部類のレンズとなる。同じマウントでYashicaとCONTAXの二つのブランドを保持したYashicaであるが、一眼レフにおいてはYashicaブランドは今一つぱっとしなかった。 当方にしてもYashicaの一眼レフは高価なCONTAXボディに手が出ず、マウント共通のZeissレンズ使用のために購入したぐらいで、CONTAX購入後はしまったきりだ。 多くの人がこのような使い方をしたはずで、Yashica純正の交換レンズを使用した人は少ないのではないか?と思う。 さて、このYashicaML50mmf2であるが日本製Zeissと硝材は同じところで製造されている。何が違うのかといえば、良く分からない。硝材は同じでも設計とか精度とかが違うのか、性能的にもワンランク低めに見られている可哀相なレンズである。 お試し撮影をしてみると特に優れているでもなく、かといって悪いレンズとも思えない。普通に撮るには何の問題も感じない。若干コントラストが低い気がするが、十分実用できるレンズだと思う。CONTAXに取り付けてもデザインが良く似ているため違和感もなくフィットする。 「僕のCONTAXはレンズが違うんですよ〜ケケケッ」とZeissマニアの前で見せびらかすにはちょうど良いレンズだ。 |
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