このZis30、発売が予告されてから入手を心待ちにしていた。 この無理矢理大砲を積み込んだ強引なスタイルはキワモノ大好きの当方にとって久しぶりにキットを組む気にさせてくれた。 キット供給メーカーはマケット。T34の素晴らしいキットを開発したロシアのメーカーであるが、たまに出すLimited Editionは中身を見てびっくり的なキットが多い。このZis30もそうであった。車体はAER、大砲は旧イタレリ(現在はズベズダ)、キャタピラをどこかのメーカー(名前を忘れた)から持ってきて砲座周りをマケットが追加した4社のパーツを掻き集めてキット化したものだった。ベースとなったAERのコムソレーツ牽引車はこれしかない希少価値のあるキットだがメーカーに技術的に問題があるのに細かな部品分割を行っている上、肝心な部分の省略が行われているキットである。まともな形にしようとすれば全面的に作り直しになるのだが、今回は目をつむる事にした。気になるときりがないが、気にしなければ、それで良しである。 組み立て コムソレーツ牽引車はキットがAER初期の簡易インジェクションキットであるため金型の傷みが激しいのかズレ、バリが盛大に発生している。プラの材質が悪い上に部品とゲートが一体化しており無理に切ろうとすると細かな部品はすぐ割れてしまう。また、当方の入手したキットは車軸が全て最初から折れていた。 足周りから組み始めるがここで難儀する。ほとんど出来の悪いレジンキット状態である。仮組をきちんと行わないとサスペンションを組む事が出来ない。また板バネをやらなくていいのに細かく分割しており、パーツがくだけ散った時には当方、作るのをやめようかと思いました・・・・。 キャタピラはキット同梱のものは使えず、モデルカステン製に変更する。 足周りさえクリアすればあとはキャビンの箱組とすらすら進むが、ここで実車資料は見ない方がよい。手を入れる所が無数にある事に気付き、挙げ句の果にはスクラッチとなりかねない。キットを信用し、作っていった方が健全だし、とにかく形を見る事ができる。 砲座部はマケットの新パーツだがモールドは甘い上、歪んでしまっている。説明書の指示通りに付ける事が出来ないので、車体側と新パーツを切り刻んで組み上げていく。リベットは違和感があるので全面的に打ち直した方が統一出来て綺麗に仕上がる。小さい車輛なので1日仕事で車体の方は完成してしまう。 大砲の砲基部はイタレリのパーツで砲身がマケット製。最初はランナーかと思った砲身であるが、少し細すぎる感じがする。できれば適当なプラ棒等に置き換えた方がよいのだが、そのまま使った。組み立ては特に面倒な所もなくすらすら進む。 完成した大砲を車体に合体させると完成となる。 まとめ 部品の合の悪さとメーカー毎に違う部品の整合に手間取るが完成するとそれなりの形になる。徹底的に手を入れて作るよりも大らかに作った方が楽しいキットだ。 |