上の写真は当方がスクラッチの際、使用する道具です。定規とカッターナイフ、デザインナイフで9割以上作業しています。カッターナイフ、デザインナイフは社会人になった時、模型作りに復帰した頃からの愛用の道具。もう16年使用しているものです。 |
ぽつぽつながらSM54の製作は進んでいる。スクラッチをやっているとさまざまな問題が発生するが、今回も例のごとく頭の痛い問題が発生している。ひとつは資料。図面の辻褄のあわない点はPART2でも書いたが、写真を見ていてあれっ?と思った。良く見ると同じ部分が写真によって微妙に違うではないか。今回提供された資料の写真は1両のSM54を撮影したものだと思っていたのだが、どうも複数の車輛の写真を集めたもののようだ。最初は角度で見え方が違うと考えたのだが、運転席を側面からとった写真を見て、この疑問は確実なものになった。フェンダーのはみ出しがあるのと、ないのがある。同じ部分を角度を変えているだけなので、別々の車輛であることに間違いない。当方の製作ははみ出しが無いタイプとして作っているので、気付くのがおくれると大修正を要する所だった。資料写真はよく見ないとこういうことが度々発生する。 写真は砲座部を別に作って車体に取り付けたところだが、角度が少し気に入らなかったのでポリパテを盛って修正中の所。この部分はほとんど見えなくなるため、ある程度の修正にとどめておいた。同時に所々できてしまった隙間を埋めておく。 車体後部のデッキ部分への上がり口ならびにシャーシとの接合部分は微妙なRの付いた形となっている。直線で加工しても良い部分だと思うのだが、何故かソビエト製の戦車は接合部を丸くしたがるようだ。スクラッチする上でこういった曲面部分は加工に手間がかかる。大きな曲面だとRを切り出したプラ板にプラ板を丸めて張り付ける方法で対処できるが、小さな接合部などのRの場所は積層したプラ板を削り出していく方法を使う。SM54の場合、車体後部にキャタピラテンション調整用?の出っ張りがあるのでプラパイプを曲面に埋め込んで再現した。隙間や段差はポリパテを盛ってヤスリで大まかに削り、Rを出した上でサンドペーパーで細かな部分を仕上げた。 SM54の工作は車体後部の加工とフェンダー上の各種ボックス取り付けの工程に入った。フェンダーは0.3mmプラ板がベストの厚さだが強度を考えて0.5とした。ボックスは0.5プラ板から切り出したものを箱状に組み上げ、細かなディティールを加えている。サイドのプレスのへこみは0.3プラ板にピンバイスで穴を開けカッターナイフでへこみ部分を切り抜き、0.5プラ板に張合わせて再現した。少しオーバーになるが、溶きパテを塗り、上からサフェーサーを吹くとちょうど良い感じになる。エアダクト?は内部のしきりまでを表現した。ネット越しにほとんど見えない部分ではあるため、よくわからないことも手伝ってある程度作って誤摩化してある。 ちょっと休息 実車はJS3のパーツを流用するなどしてコストを安くしようと努力したみたいであるが、結局。割高な維持に費用のかかる車輛として完成したようである。スクラッチする上でも実写同様。コストのかかる模型である。砲身用のABSパイプやアルミパイプは1本200〜300円程度、プラ板は大量に確保しているため、そんなに金はかかっていないが、転輪流用のためタミヤのJS3を2台潰し、キャタピラはモデルカステンSK14が3セット必要になる。この二つで約15000円。ガレージキットにくらべれば安いものだが。小遣い削減中の当方にとっては頭の痛い問題でもある。 |