2004年10月開始・DAICON2参加用作品 PART-1

ここのところミリタリーモデルを作る気がすっかり失せてしまって(というよりも大量に発売されるキットに製作が追い付かないこと、マイナーアイテムがどんどんインジェクション化されスクラッチをするまでもなく好きな車輛が手にはいる時代になったことが大きい理由)スクラッチ作品もミリタリーを離れたものを作りたいと思うようになっています。
ということで、今回はスクラッチアイテムに昔から大好きだった鉄道車輛を選びました。当サイトのフォトギャラリーページNostalgic Trains2の彼女と訊ねた鉄道の情景を模型で再現しようと考えたのです。名付けて
First Love Project

車輛の選択
Nostalgic Trains2では別府鉄道のキハ101が撮影されていますが、スクラッチアイテムには同鉄道のキハ1を選択しました。キハ101は旧型気動車らしい形の魅力ある車輛なのですが、1/35にすると、フィギュア2体を中心とするジオラマには大きすぎる車輛です。そこでキハ1としました。私が別府鉄道を彼女と訪れた際にはすでに廃車され、現物を見たことはないのですが、幸い図面と過去に撮影された写真がNEKO Publishingから出ているRM LIBRARY38 図説・別府鉄道にまとめられています。戦前に作られたコンパクトな車体は1/35にしても大きすぎず、模型映えする車輛です。また、鉄道模型の世界ではフリーランスというカテゴリがあり、自分でイメージした車輛を自由に作ることができます。写真があるといっても資料が非常に少ない車輛ですので、今回、作るキハ1はある程度自分のイメージをミックスしながら自由に実車にこだわらず、らしさを優先して作ることにしました。


車体の製作
車体は0.5ミリプラ板で作ります。箱組の車体なので加工は楽でした。図面は書籍に載っていたものを1/35に拡大コピーして使用していますが、車体半分しか図面がないので、このキハ1を製作した日本車輛で同時期に作られた車輛を「図面集・日車の車輛史 戦前私鉄編」から探し出し、参考にしました。そのため車内レイアウトなどは他鉄道の車輛が混在するものになりました。


車輪の製作
鉄道車輛の製作で面倒なのは車輪の製作です。当方、旋盤を未だ導入していないため、ドーナツ形に切り抜いたプラ板を積層して作っています。いつもなら1.0ミリプラ板を切り出すのですが誤差が出やすいため今回は0.5ミリプラ板を積層しています。スポーク部分はエバーグリーンのプラ棒を使用しています。これを原型にレジンで複製しました。スポーク部が抜けていないのはレジンを流す際に空気を逃がすために0.25プラペーパーをかましているためです。複製後この部分は不要になるので切り抜きます。


車輪の複製
複製用のシリコンゴムはGSIクレオスのシリコンゴムを使用しています。これまではウェーブのものを使用していましたが、柔らかいことと近所の模型店でも発注でき入手しやすいことから、最近はこればかりです。レジンはウェーブのキシレンタイプ。一時、ノンキシレンを使用しましたが流れが今一つなので、臭いは強烈ですがキシレン入りにしています。ゴム型は大体、30個ほど量産すると駄目になりますが、今回は4個の複製なので型が壊れる心配はありません。

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