やっと原形が完成した。昨年10月末から取りかかった作業は、いつもながらの当方のムラ気も手伝って一向にはかどっていなかったが、どうにか型抜き用の原形が完成した。タイトル下の写真はその原形を仮組みしてみたものだ。パーツ数は考えに考えて17個に押さえた。これから試し抜きの作業に入るが果たしてちゃんと抜けるのだろうか?これから先は「ひょうたん山電気」のスタッフにお任せになるが、無事、パーツとして複製できればと思っている。 ここまでスタイルが見えてしまうと何を作っているのかバレバレなので作品名を取りあえず公開しておきたい。タイトルにもあるように「バジャジ・オートリキシャー現地改修タイプ」である。なぜこのような長ったらしい名前になってしまったのかは後述するが、とにかくマイナーの極みに到達しましたね〜。 |
運転キャビンとサスペンションフレームの接合は実物では三角形のメインフレーム内にエンジン、トランスミッションが載せられているところへ、両サイドからチェーンボックスを挟み込むようにして接合しているのだが今回の作品ではそこはほとんど見えないということで省略した。本当はエンジンまで取材しているので再現したかったのだが、フレームの構成からレジンに置き換えると強度的に無理があり、それよりもキットになったときの組み立て易さを優先した。 また、将来的にバリエーションを再現する際にこの分割が一番扱いやすいと判断したためでもある。実物でもこの状態で出荷し、使用者側でボディを用途に合わせて別途作って載せるという作業が行われている。(載せるボディには様々なバリエーションがあり楽しい) |
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パーツ毎に仮組みしながら製作したものの、果たしてきちんと形になるのか最後まで不安が付きまとった。何しろスクラッチのように出来たパーツを接着、修正、強引に擦り合わせする事が出来ないのが辛い所だった。木片を支えに仮組みしてビ調整を行い、修正を加えサスペンションの角度決めなどを行った。 バジャジ・オートリキシャー現地改修タイプとした理由は製作中に当方の取材したオートリキシャーが相当現地で手の加えられたものと判明したためである。この車輛、インドを中心に周辺の国々で使用されているのだが、徹底的に修理や改修を重ねながらこれ以上は使用できないと判断されるまで使い込まれる。そのためどれがオリジナルなのか分からない(現在も生産されているのだが新車にお目にかかった事が無い)ため、取材した車輛に準ずることにしたためだ。 キャビンの取り付け角度など数台の写真を見ても微妙に違うし、ウインカーなどはバイクからの転用や無いものもあり、判断に苦しんだためでもある。まあ、気楽に作れるといえばそれまでだが、やる以上は忠実にやりたいし、いずれオリジナルも作りたいという事で「バジャジ・オートリキシャー現地改修タイプ」とした。厳密にいうとネパール・カトマンズで使用されているネパール名「テンポー」の一つの形態を再現したものである。 |
型抜きレジンパーツ化は「ひょうたん山電気」さんに依頼した。当方は型抜きなどやった事が無く、未知の世界である。喜々として原形を持込んだのだが以下は「ひょうたん山電気」さんの親分宅での会話。ざっとパーツを見てもらった後・・・・。 M社員「ちょっと凝りすぎと違いますか?抜けんかもしれませんよ」 親分H「まあ、ゴム型の分割次第でどうにかなるやろ。けどオッサン、表面仕上げが雑やなあ〜。スクラッチと一緒にしたらあかんでぇ〜。サフェ−サ−吹いて、色塗って終いの世界と違うけんな。表面が荒れとったら、気泡が入りやすいし、パーツの欠損とか、ゴム型も痛みが早くなるんやで〜。その辺考慮してもらわんと」 Y「すんまへん。その辺、素人ですさかいに全く知りまへんでした。好きなようにやってくれたらエエと聞いてましたんで・・・・・・。けど、どうやったら綺麗に抜いてもらえるかと無い知恵しぼってパーツ構成考えたんですけど・・・・・・」 親分H「パーツ分割はこんなもんだろうけど・・・。何しろ仕上げが雑じゃ。磨くぞ!。磨きこまんかったらレジンが流れんし、抜けんわ」 Y「どうぞ、どうぞ、磨くなりパーツを修正するなり好きなようにやって下され。わたしゃ、文句は言いまへんがな。とにかく、パーツになってくれればエエんです。よろしくお願いしますわ」 とまあこんな具合で、レジンパーツ化は前途多難の様相。 「とりあえず一回抜いてから、パーツの修正をやって本番にした方がええやろな」と親分H とりあえずテストショットを抜いてみようということになった。 さてどうなるか・・・・・。 注*テストショットパーツは2月中に仕上がるとのこと。 |