阿波勉強堂管理人40代突入記念作品
Part1

採寸作業
何を作るのかお知らせしないまま始った当プロジェクト。製作するのは以前からやりたくてたまらなかった車輛だ。
製作のために用意した資料は上記に掲載した手書きの採寸図である。これまでのスクラッチ作業ではそのほとんどを洋書の図面や写真にたより、実車取材は行っていなかった。今回の作業ではまず実車を計測し、それをもとに簡易図面を描き、おおまかな形を掴んだ上で作りながら形を把握していくことにした。
計測作業は大変であった。友人とともに整備工場に乗り込み、持参した巻き尺でああだこうだと採寸を行った。整備工場のオッサンは一体何者だ?という風に我々を見ていたが「模型を作るんだ」と言ったらキツネにつままれたような顔をした。オッサンはてっきり我々が新型を開発するために旧型車のデータ集めをしていると思っていたらしいのだ。そりゃそうだろう遠路飛行機で9時間半もかけて模型を作るためにやってきた。などというのは現地の人にとってクレージー以外の何ものでもないのである。
3時間ほど頑張って必要な寸法は採寸できた。部分ごとに写真を撮影することも完了し、当方の模型化への一歩が踏み出されたのだ。


作業開始 乗客キャビンとタイヤ
作業は乗客キャビンから始めた。今回の車輛は単純なようで結構曲面もあり、形状の把握が難しく、採寸図と写真を見比べながら作っていく。最終的にレジンで抜く予定となっているので実車は薄鉄板のプレス加工で非常に薄いのだが、ある程度の厚みを持たせる必要があり、1ミリプラ板を使っている。
シートはビニルあるいは布張りが施されたベンチ型である。1ミリプラ板を二枚重ねにしたものをシートの形にして、その上からエポパテを薄く延ばしたものをはりつけ、縫い目をニードルの先で付けていった。後の抜き作業を考え、取り外しできるようにしたが、一発抜きが出来るようなら固定する予定。このあと床面滑り止めのモールドを伸ばしランナーで再現し、強度確保用のリブ、サイドフェンダーを加工し取り付けする予定。

タイヤは転用できるサイズのものがなく、いつもながらのプラ板積層で作ることにした。0.5ミリプラ板にタイヤサイズの円を描いてニードルでケガき円を切り出す。タイヤの厚みが35分の1で3ミリであるため円が6枚必要となる。ドーナツ状のものがタイヤ部分で中抜きをしない円はホイル部分となる。
プラ板を切り出した円板は接着剤で一つに積層する。万力にはさみ圧着し、はがれないようにする。どうしても段差が出来るのでそこはパテで埋めて、完全乾燥後、ヤスリやサンドペーパーで段差を埋めてドーナツ状態のものを作る
トレッドパターンはデザインナイフ、極細の金属ヤスリなどを使って付けていく。取りあえず試作してみたが、少し気に入らない(実車はもっと細かいパターン)点があり何個か作って一番良いものを使用することにする。いつもと違って今回は1個作れば後は複製で対応できる。左右でトレッドパターンの向きが逆ということもないので作業も楽だ。


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