仕事や子供の相手という様々な妨害工作の中、チマチマと時間を捻出しSM54の制作は進んでいる。車体下部の荒組はほぼ出来上がり、乗員のキャビンの工作と砲弾クレーンの制作というちょっと手間のかかる部分が残っているが、細かな配線やフックの取り付けを行えばほぼ完了である。 別個に作っていた砲基部もほぼ完成し、このほど車体に仮取り付けを行った。ここまで出来てくると迫力は増してくる。作っていてオオッ!と思う瞬間である。 |
砲基部は大まかな形を掴むために描いた制作用図面を元に作っていった。瀬◯氏より譲り受けた図面には上面図がないため、補機類の位置の関連づけ等に悩んだが、よく分からない部分は写真を良く見て違和感のない程度に再現し、全く分からない部分はおおよそこうであろうとデッチあげた。ただし写真で判明する部分については出来うる限り忠実に再現したつもりだ。 その昔、資料がほとんどない中でスクラッチをやっていたことを思えば、このようなソビエトのマイナー車輛の図面が公表され、写真まで入手できるのはありがたいかぎりだ。それでも制作上では不足する部分があるのだが、その辺はおおらかにいきたい。とにかく早く形にして大迫力の姿を見たいと思う。 上の2枚の写真のうち左はエンジンルーム上面にあたるところ。ほとんど砲の影になって見えないため、わずかに見える写真を参考に作った。位置関係は概ねこの辺という感じで、ハッチについては手前はほぼ間違い無いが、奥は推定で作っている。写真右の砲尾部は写真を参考に作り込んでいる。実物はかなり厚い鉄材からの削り出しのようで、1mmプラ板を重ね合わせたものを削り込んで作ってみた。細かな配線は銅線を使って再現。ロック部分は良く分からないため、写真で見える部分から推定して作った。何しろこの車輛は大砲がむき出しの上、補機類がやたら多いため、作るのがいやになるほど、次々と細かなパーツの工作が必要になる。 砲の車体側の支え、砲座はちょうど良い太さのパイプが無かったため、丸く切り出したプラ板の円にプラ板を巻いて作っている。中心部には8ミリのパイプを挿入し、大砲の固定は5ミリプラ棒で行うことにした。重量がかかる部分であるため接着は擦り合わせを行った上、完全密着するようにしておこなっている。現在は工作の邪魔になるため仮の砲身を装着しているが、ここに全長360ミリの砲身と砲基部が完成時には載ることになる。 |