プラ板格闘記・SM54を作る PART6
組み立て完了!やったぞ!

しばらくサイトへのUPをしないうちに我がSM54は組み立て作業が完了してしまった。TMC展示会でほぼ完成間近の状態を見せたくて、仕事を終えてから1日3時間の作業時間を確保し(おかげさまで嫁の頭には10本ぐらい角が生えたが)、休日前はほぼ徹夜状態で制作に励んだ結果である。あとは塗装を残すのみとなった。スクラッチをやってて、この真っ白の状態が制作者にとって、完成前の一番うれしい至福の時だ。記録用に写真を撮って、次回はいよいよ塗装である。


運転席の製作
運転席キャビンは曲面で構成されているため、一番手間のかかった部分だ。最初は積層削り出しを考えていたが、丸みを出すのが面倒なのと、キャビン内部も作るため、ヒートプレスで製作することにした。模型寸法よりもひと回り小さい木型を用意して、熱したプラ板を押し付けて曲面を作る。今回は前面、後面、天井と3つに分けてプレスを行った。組み立てはプレスしたプラ板を切り出し、バキュ−ムフォ−ムキットの組み立てと同じく擦り合わせを行いつつ、寸法に合わせて接着していく。キャビンは塗装の都合上、取り外し式にしている。木型は本来、ホウノキで作るのがよいのだが、手元に無かったため、部屋を改造した際に余っていた、白木をカットして使用した。削り込みと、ペーパーがけを繰り返し、曲面を作り、仕上げにニスでガチガチに固めたうえで、さらにペーパーがけを行い、木目を消した。こうしておかないとプレスしたプラ板に木目が浮き出ることがあるからだ。今回、磨き込みが足りなかったためか、プレスしたパーツに少し木目が出てしまった。使用した木の材質もあり、許容範囲ということで目をつぶり、組み立て後、ポリパテで修正した。AFVならこの手が使えるが飛行機のキャノピーなどでは透明度が低下するためアウトである。


運転席内部の製作
運転席内部はまともな写真がなく、どうにか配置が分かる写真から推定して作った。メーターパネルに関しては写真があったのでそれを基にしている。シートは展示車輛の写真しかなく、多分、こうであろうという推測である。
メーターパネルが後方向きに付いていてSM54の運転方向はどちらなのか?と疑問がわく。パレードの写真なんかでは前向きに走っているようなのだが・・。


給弾装置


今回の製作で複雑で形が掴みにくくキャビンほどではないが手間取ったのが給弾装置だ。幸いにしてこの部分は角度を変えた写真が複数あり、ほぼ満足のいく形に仕上げる事が出来た。装填装置はエバグリ−ンの細切りプラ材を中心に組んでいき、クレーンともに位置関係のバランスを図面と照らし合わせながら作った。完成するとメカむき出しの迫力がある。


砲身固定装置


砲身固定装置は太く長い砲身を支えるため鉄板を組み合わせた支柱の上に、砲身固定具で砲身を固定するようになっている。ここもまた複雑で、大きなパーツのように見えて細かい部分で仮砲身付けた上で位置決めを行った。固定用のバンドは細切りプラ板を熱して丸くして砲身に合わせたが少しゆるめになってしまった。前面に付くワイヤーロープはタミヤのJS3からの流用。本当は二重に巻き付けられているのだが、ミスして一重になってしまった。


砲基部
砲基部は出来うる限り忠実に作ったが、参考にした写真が展示車輛のもので欠損した部品がかなりあり、その部分については、何があったのか分からないのでそのままとした。乗員用のシートはプラ板を丸くくり貫き支柱をプラ材で作った。手すりも同じくプラ材の組み合わせ。真鍮線での加工も考えたが工作が楽なのと、ほとんど触らない部分なのでプラとした。パイピングは銅線や細い電気コードを用いている。


組み立て完了
製作着手から約3ヶ月でここまで出来た。あとは塗装のみだ。最初は複雑な形をどうするか悩んだが、やってみると意外とすんなり完成まで持ってこれた。図面で見るイメージよりもかなり小さく感じる(ソビエトの車輛ってほとんどそうだ。例外はBTシリーズぐらいか)まだ仮砲身しか付けていないので臼砲のように見えるが、全長360ミリの砲身を取り付けると、その完成した姿は我ながら迫力満点であります。



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